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EPS(1株あたり純利益)とは

time 2016/02/25

EPSとは「Earnings Per Share」の略称で、「当期利益/期末の発行済み株式数」によって求められ、「1株あたり利益」と表現できます。計算式からもわかるように、EPSの数値が上昇するためには、(1)当期利益が増える、もしくは(2)発行済株式数が減少する必要があります。企業の成長戦略や業務効率化が功を奏して利益が増大した場合や、自社株買いを行った上で自社株の消却を行うか、株式を併合するなどの資本政策を行った場合に、EPSは上昇することになります。EPSの値は大きければ大きいほど好ましいが、発行株数が異なる他社とEPSの数値を比較することにあまり意味はなく、当該企業の過去の数値から上昇した(改善した)か否かを比較するのに用いるほうが適切でしょう。

EPSの価値を高める企業は、自社株買いなどを通じて株主への利益還元をしっかりと行っているか、利益を増やせるような戦略を有している企業といえます。ただし、EPSの計算に用いられる「当期利益」には持続性のない一時的な利益も含まれることから(例えば、資産処分益など)、EPSの上昇がそのまま企業の成長を反映しているわけではないという点に留意が必要です。

EPSを投資指標とする理由

株式投資を行うにあたってどの銘柄に投資すべきか、これが悩みどころです。できるだけ値上がりする(「空売り」するなら値下がりする)株を選ぶ必要があるのですが、どの銘柄が値上がり(値下がり)しそうなのか…いくら銘柄名を見ていてもわかりません。それが判断するのが投資指標です。EPSは投資指標として選ばれています。

それではなぜ、会社の利益ではなく一株利益(EPS)が投資指標として選ばれるのでしょうか。例えばここに100億円の利益を稼ぎだす2つの企業があったとします。1つの企業は資本金100億円(1万株)で、もう1つの企業は資本金1億円(100株)だったとします。利益ベースで見れば、同額の利益を稼ぎ出しているのでどちらの企業も甲乙つけがたいです。しかし、EPS(1株あたり利益)を見れば、その企業がいかに資本金を有効活用し、より効率的に利益を稼ぎだしたかの一つの目安になります。上の例で言うならば、資本金1億円(100株)の企業(EPS=1億円)の方が、資本金100億円(1万株)の企業(EPS=100万円)よりも資本金を有効活用していることはEPSを見れば一目瞭然です。

EPSの投資への使い方

EPSのある時点の絶対値ではなく、EPSの過去から現在に向けての推移を見ることも有効です。長期的なスパンでみると、企業によってEPSが右肩下がりに減少している企業もいれば、右肩上がりに増加している企業もあることがわかります。この長期的な傾向は、その企業が資本を有効活用できる企業かどうかということがわかります。

もちろん、企業はその成長のプロセスで資本規模を大きくし、より大きなビジネスにチャレンジし、より大きな収益・利益をあげようと努めるでしょう。資本規模を大きくするということは、増資などにより新たな資本を調達することを意味します。当然のことながら増資により発行済み株式数が増加しても、即座に利益の増加に結びつくことはなく、EPSが低下することがありえます。

すなわち、EPSの低下には2つの理由があるのです。1つは利益の減少、もう一つは株式数の増加です。前者は企業の成長力の陰りを示しているかもしれませんが、後者でEPSが低下したとしても、次期には新たに調達した資本でより大きな利益を叩き出し、EPSが元の水準に回復する、ということも十分予想できるのです。ですから、EPSを投資指標とする時は短期的な変動ではなく、長期的傾向を見るべきだといえます。

EPS以外の株式指標・投資指標

EPS以外の株式指標・投資指標にも目を向けてみましょう。

PER(Price Earning Ration, 株価収益率)は時価総額/純利益で算出することができます。PERの倍数は、株価が純利益の何倍か、また投資資金が回収されるまで何年かかるかを示しています。PERは絶対的な水準で良し悪しを判断するのではなく、過去のPERや同業他社のPERと比較して評価されます。

PBR(Price Book-value Ratio、株価純資産倍率)は株価/1株あたり株主資本で算出することができます。PBRによって株主資本からみた株価の割安度を示しています。PBR=1(倍)が評価基準となり、PBRが1以下なら割安だと判断されます。

ROE(Return On Equity, 株主資本利益率)は1株当たり利益(EPS)/1株当たり株主資本(BPS)で求めることができます。ROEは企業の収益性を図る指標で、株主資本がどれだけ企業の利益に結びついているかを示しています。